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悩む力  姜尚中(カン・サンジュン)著

081026 悩む力  姜尚中(カン・サンジュン)
社会というのは、基本的には見知らぬもの同士が集まっている集合体であり、だから、そこで生きるためには、他者から何らかの形で仲間として承認される必要があります。そのための手段が、働くということなのです。働くことによって初めて「そこにいていい」という承認が与えられる。
働くことを「社会に出る」と言い、働いている人のことを「社会人」と称しますが、それは、そういう意味なのです。「一人前になる」とはそういうことなのです。

社会の中での人間同士のつながりは、「相互承認」の関係に違いないのですが、私の場合は「ねぎらいのまなざしを向けること(アテンション)」という表現が一番近いのではないかと思います。
ですから、私は「人はなぜ働かなければならないのか」という問いの答えは「他者からのアテンション(ねぎらいのまなざしを向けること)」そして「他者へのアテンション(ねぎらいのまなざしを向けること)」だと言いたいと思います。
そしてもう一つ言えば、このアテンションという「承認のまなざし」は家族ではなく、社会的な他者から与えられる必要があるのだろうと思います。

人間というのは、「自分が自分として生きるために働く」のです。「自分が社会の中で生きていていい」という実感を持つためにはやはり働くしかないのです。

マズローの欲求段階説
マズローは、人間の基本的欲求を低次から
1. 生理的欲求
2. 安全の欲求
3. 親和(所属愛)の欲求
4. 自我(自尊)の欲求
5. 自己実現の欲求
の5段階に分類した。このことから「階層説」とも呼ばれる。また、「生理的欲求」から「自我(自尊)の欲求」までの4階層に動機付けられた欲求を「欠乏欲求」とし、「自己実現の欲求」に動機付けられた欲求を「成長欲求」としている。
人間は満たされない欲求があると、それを充足しようと行動(欲求満足化行動)するとした。その上で、欲求には優先度があり、低次の欲求が充足されると、より高次の欲求へと段階的に移行するものとした。また、最高次の自己実現欲求のみ、一度充足したとしてもより強く充足させようと志向し、行動するとした。
生理的欲求
生命維持のための食欲・性欲・睡眠欲等の本能的・根源的な欲求
安全の欲求
衣類・住居など、安定・安全な状態を得ようとする欲求
親和(所属愛)の欲求
他人と関わりたい、他者と同じようにしたいなどの集団帰属の欲求
自我(自尊)の欲求
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める認知欲求 
自己実現の欲求
自分の能力・可能性を発揮し、創作的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求
マズローは、自己実現した人の特徴として、客観的で正確な判断、自己受容と他者受容、自然な態度、自発性、自律、心理的自由などを挙げている。又、優秀な人ほどこの段階を駆け上がるのは速いが、自己実現を果たし、自己超越の域に達する人は極めて少ない。数多くの人が階段を踏み外し、これまでその人にとって当たり前だと思っていた事が当たり前でなくなるような状況に陥ってしまうとも述べている。

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『 心のもつれ』

『 心のもつれ』 
 「組織のしがらみ」、「人間関係のもつれ」といった言葉があります。
 人と人の間にある、目に見えない“何か”が心理的なブレーキもしくは
 ストレスになっている現実があります。
 この目に見えない“何か”。
 皆さんの組織では“しがらみ”や“もつれ”を感じるでしょうか。
 私は人間の心は“紐”(ひも)のようなものだとイメージしています。
 その紐に、ある時、ちょっとしたもつれが生まれます。
 それを放置していると、どんどんもつれが増えて、いつのまにか
 ほどくのが大変な状態になっている。
 頻繁に使っているイヤホンなんかは、知らないうちに結び目が
 増えていて、ほったらかしにしているとひどくなって、
 ほどくのに時間とエネルギーを使うことがあります。
 もつれないイヤホンが開発されたら、すごく売れるでしょうね。
 もつれが生まれるきっかけを知っておけば、そのもつれを早期に
 ほどいておくことで、いつも心がすっきりとした状態をキープ
 することができます。

 組織の中にある“関係”がもつれる最大の理由。
 それは、それぞれの人が、それぞれの正しさを持っているからです。
 それぞれ個々の論理としては正しいのですが、お互いの違いを解消せず
 ほったらかしにしている。
 そのまま、組織ではいろいろな意思決定がなされている。
 そうすると、納得いかないこと、理不尽だと思えること、
 贔屓(ひいき)だと感じること、自己中心だと感じること、
 が自然発生します。
 その自然発生した現象に、誤解が生じ、イライラがつのり、不満が生まれ、
 最後には、あきらめというスイッチが入るのです。
 まるで、一度結び目ができた紐を放置していると、
 どんどん紐が絡み合って、最後は、ほどくのも
 嫌になってしまうようなものです。
 特に、正義感が強い人ほど、責任感が強い人ほど、
 心がもつれる傾向にあります。
 紐を引っ張る力が強いからです。

 では、どうしたらいいのか。
 まずは、もつれにくい状態にしておくことです。
 つまりは、それぞれの正しさを認め合うこと。
 そういった相互理解の場を意図的に作っておくことです。
 もつれが少ない組織では、事前に正しさがぶつかりあいそうな関係者の
 相互理解を促進する“長老”のような人物がいます。
 長老は、相互の正しさを深く認め、相手の正しさを分かりやすく解説し、
 諭すように話をしてくれます。そして、お互いの間に入って通訳をしながら
 相互理解の場を作ります。
 そんな人物が、皆さんの会社にもいるかもしれません。
 そういう人は、組織の目に見えないところで活躍されている
 貴重なる財産です。
 心のもつれを解きほぐす場、時間、人物、これは組織には必須です。

                                        泉一也氏のコラムから    

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「言行不一致」 鈴木義幸さんのブログより

 Coach21の鈴木善幸さんは私の大好きなコーチの一人です。
 非常に分かりやすく、現状に即した説明をしてくれます。
 今回も読んでみて腑に落ちましたので、添付します。
 ちょっと長いですが、呼んでみてください。

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  「言行不一致」 鈴木義幸
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 リーダーに、「リーダーとして何が大事だと思いますか」と聞くと、
 「やはり言行一致させることでしょう。
  言っていることとやっていることが違うと、部下はついてこないよね」
 そんな風におっしゃる方が多くいらっしゃいます。
 一方、部下の側に、「リーダーには何を求めますか」と聞くと、これまた、
 「言行一致ですね。じゃないと信用できない」
 もちろん、それだけがリーダーの資質ではないですが、
 信頼されるためには、信頼するためには、
 言行一致はやはりとても大事であるようです。
 さて、実際多くのリーダーは言行一致しているか?
 敢えて大胆に言い切ります。
 していません!
 あまりに大胆だったでしょうか。
 何かを裏でやっているとか、社員にうそをついているとか
 そういうことをここで言いたいわけではありません。
 多くのリーダーは自分でも気がつかないうちに、
 言行不一致を引き起こしていることがあります。
  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *
 先日、ある企業の会議をオブザーブさせていただく機会がありました。
 部長さんが課長さんに
 「いいか、もう指示一辺倒では部下はついてこないんだよ。
  もっと部下に考えさせなきゃだめだ。
  お前らちゃんと部下に考えさせろよ」
 と“指示”していました(笑)。
 部下に考えさせるようなコミュニケーションをとって欲しいならば、
 まず、部長自らが、課長に考えさせるようなアプローチを取るのが
 有効だと思うのです。
 モデルになりますからね。
 それはやらずに、「考えさせろ」と指示してしまう。
 これは「言行不一致」ですね。
 別名、「遂行矛盾」ともいいます。
 例としては、
 ・「なんでもっと部下のことをほめないんだ!」と叱ってしまう
 ・「部下には厳しいこともしっかり伝えないといけないぞ」と優しく諭してしまう
 ・「お客様を感動させるような接客をしろ!」と口うるさく言って、
  部下を辟易させてしまう(部下は決して感動しない)
 悪気は無いんですね。
 部下に、なんとしてでもそうして欲しいという思いがあるから、
 ついやってしまう。
 しかし自分は、伝えている内容と矛盾したことを実践しているわけです。
 では、そういう方に対してコーチはどうするか?
 「矛盾していますよ、言行不一致ですよ」とまずは伝えます。
 たいていの方は「しまった!」というような顔をされます。
 オブザーブさせていただいた部長さんも、
 「そうかあ。それは気づかなかった。言われてみればそうだよね・・・」
 わりとすっとこちらの視点を受け入れてくれました。
 次に、
 「部下にそれを実践してほしいのであれば、
  まずは自分がその体現者になった方がはやくないですか」
 と提案します。
 親が子どもにすることは子どもが孫にする。
 これもすっと入ります。
 わかりやすいロジックですから。
 そして、最後に聞きます。
 「こういったわかりやすいロジックなのに、
  今までどうしてできなかったんでしょう?」
 「人には言っておいて自分では実践してこなかったのは
  なぜだと思いますか?」
 これはちょっと突っ込んだアプローチですね。
 が、これがないと、「言行不一致」は改善されません。
 「自分の言うことを聞かせたいんだと思う」
 「自分が全体をコントロールしていたいんだと思う」
 そういう「言行不一致」を引き起こしてきた、
 欲求の部分が引き出せたら、ほとんど完了です。
 この欲求をしっかり認識していただかないと、
 また同じ行動を繰り返してしまいますから。
 最後に、
 「では戻りますが、最優先したいのは何でしたか?」
 と再確認します。
 「言うことを聞かせることですか? それとも考えてもらうことですか?」
 大抵は明快に答えてくださいます。
 「考えてもらうことです」
 コミットメントを確認するわけです。
 いつもいつもこんなに「きれいに」いくわけではありませんが、
 成功率80%ぐらいでしょうか。
 上司に対して行うのは難しいかもしれませんが、
 もし「言行不一致」を起こしている部下の管理職や、
 グループリーダーの方などいたらぜひお試しください。

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「上司とのコミュニケーションがうまく取れない」

これは実際に私のクライアント(医療検査会社の営業)との
係わり合いを文章にしたものです。実際のコーチングの臨場感を
味わってみてください。
★Aさんの現在の問題(課題)
・ 上司とのコミュニケーションがとれていない(上司が良いコミュニケーションを
  取ってくれない、自分もどうすれば良いのかわからない。)
・ 「完全武装」を望む上司の考え方についていけない。(自分は自分のやり方で、や
  っていきたいと思っている。)

★なぜ、上司はAさんに完全武装してほしいのか?
・ 成長してほしい
・ 一度言ったことはやってほしいから
・ 言われたこと以外でも、「普通はわかるだろ?」がわからないから

★Aさんはどうしたいのか?
・ 顧客が言ってくる質問に答えて、納得してもらうようになりたい!

ここで発想の転換(視点をシフト)
顧客が質問したことを学術的に知らなくても、また答えられなくても
気にしない。(そうなったときの恐怖心を意識しない)
        ↓
気にしないというのは「無視」するのではなく、①「先生が本当に
望んでいることが何なのかを考える」、「考える」とは②「確認」し③「予想」し、
④「質問」して更に⑤「提案」する事です。
一例
Aさん:「先生、この製品は今までの製品と違って検査結果が非常に速く出て、
      なおかつ、コストが安くなるんですよ!」
先生:「へぇー そうなんだ。でもデーター的にはどうなの?問題ないの?他の
   採用している施設はどうなの?」
Aさん:「(わからないのと、答え方がうまく整理がつかないので)
      その件はまた調べてきます。」

これを「視点をシフトさせる」と
Aさん:「先生、この製品は今までの製品と違って検査結果が非常に速く出て、
     なおかつ、コストが安くなるんですよ!」
先生:「へぇー そうなんだ。でもデーター的にはどうなの?問題ないの?他の
   採用している施設はどうなの?」
  (ここで①「先生が本当に望んでいることが何なのかを考える」 データだけ
   なのか? コストなのか?スピードなのか?採用施設の多さなのか?)
Aさん:「先生はデーターのことを気になさっているんですね!」(②「確認」)
先生:「そうなんだよ!いくら良くてもデーターがね、しっかりしていないと困るよ
   ね!」
(次に先生がどう思ったらこの製品を使ってもらえるかの優先順位を考える。先生が
 本当に望んでいることは何なのか?その気持ちが高くなって「買おう」と思うニ
 ーズの順番は何なのか? 逆にもしかしたら全然買う気が無いのかもしれない。―
 ③予想して、先生に考えてもらい答えが出やすいようなオープンクエスチョンをす
  る ー④質問する)
Aさん:「そうすると、もし先生がこの製品を採用するとしたらどこが一番のポイン
     トはなんでしょうか?」(④「質問」する)
先生:「そうだな!データーが普通に出て、なおかつコストが安く、速く報告できれば
   問題ないね!」
Aさん:「先生のおっしゃるとおりの製品があれば従来品からの切り替えも考えられ
     るということですね。」(②「確認」する)
先生:「そうだね!」
Aさん:「それでは、今おっしゃった点がすべてクリアーになったとして、先生が今
     すぐほしい!と思う気持ちが何%ぐらいまであがりますか?」(③「予想」
     し④「質問」する)
先生:「難しいことを聞くなぁー 80%ぐらいかなぁー」
Aさん:「ということはまだ、他の切り替えられない理由があるんですね! 私がお手伝
   いすることが何かありますか?」(⑤「提案」)
   
ここでは、先生の「データ」に対する「根拠」の提示は何もされていません。ただ、顧客からの情報を「確認し、考え予想して、質問し、提案する」だけです。この思考サイクルで顧客からの情報をうまくコミュニケートできれば、「根拠」を知らなくても、先生はAさんと話しをして「あー私の気持ちをわかってくれているんだ!」と認識し、納得されると思います。この思考サイクルを意識してやってみてください。

長くなりましたが、もうひとつ、「上司」に対しての接し方についてです。
次々に予期していない質問をして、「自分のパターン」にはめ込みたい上司は世の中にはたくさんいます。Aさんの上司も無意識のうちに「自分と同じ思考パターンになることが売れる最短の方法だ」と信じているのでしょう。(実際、多分彼は過去にその実績があるのでしょう。)
Aさんがそのパターンをどうやったら習得できるかという思考パターンを少し見直しましょう!つまり「いつまでいっても上司と同じレベルには届かない(能力が無いのではなく、物理的にですよ!)事を認識しましょう。
では、その次にどうするかですが、上司とターゲット施設の打ち合わせをするとき、自分が言おうとすることをあらかじめ「紙におとす(書く)」事をお勧めします。
「紙におとす(書く)」事のメリット
 ・気持ちの整理がつく
 ・上司に説明するときに気が楽になる。(見れば一目瞭然だから)
 ・足りない部分をつけ足しできる。(上司が言ってきてもその場で書き込める。)
 ・自分がやったことを相手に認識してもらう事ができる。(やった事が足りなくて
  全部否定されるのではなく、その過程までの実績は相手の目に残る。)
 ・お互いの想いが「紙のおとす(書く)場」で共有できる。

ただし、この「紙におとす(書く)」時は、何回も自分で読み直し、「視点をシフト」させたりし、また文章としての「まとまり」を意識して、「何が自分は言いたいのか」をちゃんと書き込んでおく必要があります。これには訓練が必要ですので意識してやっていきましょう。私の経験ではターゲット施設をこのパターンで3施設ぐらい上司と打ち合わせを行うと、お互いのコミュニケーションも高まりますし、自分自身の「まとめる力」もついてきます。是非、チャレンジしてみてください。
想いを箇条書きで書いていったため、非常に長くなり読みにくかったと思いますが、一度プリントアウトして、お暇なときや実際に打ち合わせをするときにご活用ください。質問やわからない点、ご感想は次のセッション前でもけっこうです。メールをください。

それでは!来週、自宅電話にてお待ちしています。
アクションを起こしてみましょう。必ず何かを返ってきます。しっかりやっていきましょう!

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プラットホームで対話する。

Coach21の鈴木善幸さんがメルマガでおっしゃっていた文面です。
 「当たり前の前提を疑っていただく」という方法で思い込みや価値観に
新たな視点を引き出しています。


「プラットフォームで対話する」 鈴木義幸
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 最近、企業、特に大手企業の執行役員の方から
 エグゼクティブコーチングの依頼をいただくことが増えました。

 エグゼクティブコーチングがだんだんと
 社会的認知を得てきたことも理由としてあると思いますが、
 大胆に仮説を立てれば、
 「ちょうどコーチングを受けてみたいと思う時期」
 なのかもしれません。

 先日ある大手メーカーの執行役員の方から
 セッションの際に、こんな話をいただきました。

 「会社に入って25年。とにかく走り続けてきたんだよね。
  会社から求められた成果は絶対出すと心に決めて。
  部下にもかなり無理を強いてきたよ。

  で、執行役員になった。
  それはそれでよかったんだけど、
  なんだかもやもやする感じもあってね。

  そんなときに、人事から
  エグゼクティブコーチングというのがあると聞いて、
  なんか、ちょっと立ち止まって、
  自分を振り返るいい機会かなと思ったんだよね」

 動きの速いこの時代、ビジネスマンは、
 特急列車に乗っているようなものです。
 停車することなく、目的地に向かって激走を続ける。

 執行役員という、目指していたキャリアゴールに到達したときに、
 ちょっとプラットフォームに降り立って対話を交わし、
 「自分自身」を検証してみたい、そんな風に思うのかもしれません。

 では、そんな目的を持ってセッションにいらしてくださった
 執行役員の方に、どう自分を振り返ってもらうか。

 やり方はいろいろあると思いますが、
 私がよく取り入れるのが、
 「当たり前の前提を疑っていただく」という方法です。

 自分のことを自分から離れて客観的に見ていただくために、
 自分が疑う余地もなく当たり前だと思っているようなことに、
 あえて光をあて、再検証していただく。

 当たり前だと思っていることの中にこそ、
 その人の価値観やものの見方が凝縮されて詰まっていると思うからです。

 ちなみに先ほどの大手メーカーの執行役員の方は、
 とてもスピードを大事にする方でした。

 ビジネスですから、スピードはもちろん大事ですが、あまりに速い。
 話すのも速い、歩くのも速い、食べるのも速い、
 そしてももちろん仕事も速い。

 だから聞きました。

 「なんでそんなに速いんですか?」

 「えっ? スピードは当然大事でしょ。ビジネスで結果を出すには」

 「もちろん大事ですけど、○○さんの場合、緩急が全くないですよね。
  24時間止まらない感じです。
  そこまで急ぎ続けるのは、なぜなんですかね?」

 もちろん、問い詰める感じではなく、真摯に興味を持って、
 その人の前提の根っこにあるものを紐解いていきます。

 他にも次のような質問を彼にはしました。

 「いつも先頭に立っていたいと思うのは、なんでなんでしょうね?」

 「どうして常に論理的であることが大事だと思うんでしょうね?」

 「なぜ会社の中で成功していたいんでしょうね?」

 こんな問いをシャワーのように浴びる中で、
 自分が何を、なぜ「選んできたか」がはっきりと浮かび上がってきます。

 そうすると、今の役割の中では必要ない
 考え方や行動パターンが見つかったり、
 あるいは逆にこれまで以上に強化した方が良い部分が
 はっきりしたりします。

 ただ、これまで理路整然と並んでいた思考を
 一旦がらがら崩すわけですから、多少の苦痛を伴います。

 前述の役員の方も、何度も「うんうん」唸られて、
 時には冗談のように「苦しい!」と叫び声を上げられていました。

 が、トンネルを抜けた後には、
 すっきりと見渡せる新しい景色が広がっていたようです。

 スピード、自身のリーダーとしての成功、論理性、
 そうしたものを優先していた結果、

 「後継者の育成」

 「一人ひとりの部下に考える力を身につけさせる」

 「『豊かな』会社生活を部下に提供する」

 などの行動は、後回しになっていたことに気が付きました。

 そして、どんなものの考え方や行動パターンを「再選択」することが
 今の役割にふさわしいのかを見つけ出すことに成功しました。

 プラットフォームに降り立ち、自分の思考を一度離れてみて、
 それを再構成し、新しいものの見方を身につけていく。

 社員を幸福にする責任をも担うエグゼクティブには、
 ぜひ経験していただきたいプロセスです。

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「成功は旅であり、目的地ではない」

「頭のいい人」はシンプルに生きる ウエイン・W・ダイアー 著 渡部 昇一 訳・解説
の文節の中で心に残った部分を皆さんにお伝えします。
私は今まで、人生というものを一連の目的地の連続と考えていた。
人生は出来事の連続で成り立っている、と見なしていたのだ。だから、卒業も、学位取得も、成績も、結婚も出産もすべて、出来事の目的地だった。つまり、人生という旅をしているのではなく、ただ単に、駅から駅へと運ばれているだけだったのである。
このとき以来、私は、目的地へ到達したかどうかを幸せの基準にしなくなった。代わりに、自分の人生全体は絶え間なく続く旅なのだと考えることにした。そして、まさしく人生の一瞬一瞬は私が楽しむためにある、と考えることを誓ったのである。人生は、その途上の成績で評価してはいけないのだ。功績が平凡か、画期的かで判断してはいけないのである。
☆☆☆
うーん なるほど!久しぶりに琴線に触れた文節でした。オススメの本です。

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